ダイヤモンドの中でも、ユニークなのがブラックダイヤモンドです。ブラックダイヤモンドは通常のダイヤモンドと異なる輝きを持ち、アクセサリーとしても利用されています。
その独特の輝きや性質から、買取査定の基準も通常のダイヤモンドとは異なるのが特徴です。
この記事ではブラックダイヤモンドを売却したいと考えている方に向けて、ブラックダイヤモンドの特徴や見分け方、買取相場や査定の基準について解説します。
ブラックダイヤとは
ブラックダイヤモンドとは、ダイヤモンドの中でも炭素による黒色が顕著なものを指します。
「ブラック・オルロフ」と呼ばれる、195カラットもの大きさで産出したブラックダイヤが有名ですが、このダイヤは関係者が次々不審な死を迎えたため呪いのダイヤとしておそれられました。
以来、ブラックダイヤモンドは多くの人にとって不吉な意味を持ち、運気の下がるダイヤとして不人気が続いた過去を持っています。
ダイヤモンドなのでその硬さから工業用に使われることが中心でしたが、現在は高級ファッションブランドでもジュエリーとして使用されることがあり、イメージも向上しつつあります。
ブラックダイヤと黒色宝石との見分け方
ブラックダイヤとよく間違えられるのが、オニキスのような黒色宝石です。ブラックダイヤと黒色宝石の見分け方としては、輝きの違いを比べるのが一番簡単な方法です。
着色しているとはいえブラックダイヤは本物のダイヤモンドなので、カット次第で一般的な透明のダイヤモンドに似た華やかで明るい輝きを放ちます。
一方、オニキスのような黒色宝石は、ダイヤモンドほど強い輝きはありません。
もともとダイヤモンドほどの硬さがないためなめらかなカットがしにくく、カットしても光をそれほど綺麗に反射することはありません。2つを並べて見ると違いがわかりやすいでしょう。
ブラックダイヤの買取相場一覧表
アイテム名 | 商品名 | 買取相場 |
---|---|---|
ネックレス | ブラックダイヤモンドネックレス | 10,000~24,000円 |
ネックレス | ブラックダイヤモンドネックレス(50ct) | 30,000~40,000円 |
リング | ブラックダイヤモンドリング(0.75ct) | 30,000円~50,000円 |
リング | ブラックダイヤモンドリング(0.37ct) | 30,000円~40,000円 |
ブラックダイヤモンドのアクセサリーは、1~5万円で取引されているものが多いです。地金の量が強く影響するため、倍のカラット数があっても査定価格がほとんど変わらないものもあります。
カラーダイヤのなかでブラックダイヤの価値が低い理由
一般的な透明のダイヤモンドが1カラットあたり20~100万円はするのに対し、ほとんどのブラックダイヤは1カラットで約3,000円の価値しかありません。
これはブラックダイヤの多くが人口処理されたものだからです。
傷があったり透明度が低かったりする、品質の低いダイヤに着色することでブラックダイヤにしているため、宝石としての価値が低いのです。
ブラックダイヤモンドのアクセサリーを売却する場合は、宝石の価値なしと判断されることが多いため、アクセサリーのデザインや状態の良さなど、他の面での価値を高める工夫をする必要があります。
ブラックダイヤの査定ポイント
ブラックダイヤを査定に出すとき、どのような点が評価されるのかについて解説します。
4C
一般的に、ダイヤモンドの価値をはかるために使われる基準が「4C」です。カラット、カラー、クラリティ、カットの頭文字をとって4Cと呼ばれますが、ブラックダイヤは普通のダイヤとやや基準が異なります。
カラット
カラットはダイヤの重量をあらわし、カラット数が高いほど価値も高くなります。ブラックダイヤモンドも同様にカラット数が多い方が高値ですが、一般的なダイヤモンドに比べると伸び幅は非常に低いです。
10万円も出せば、3カラットものブラックダイヤを使った新品のアクセサリーが購入できてしまいます。当然、買取価格もあまり期待はできません。
一方、天然ブラックダイヤモンドの場合はカラット数が多ければ価格も跳ね上がります。
カラー
ブラックダイヤモンドのほとんどは着色処理されていることから、ムラのない均一なブラックカラーが特徴です。人口着色の場合は希少価値がないため、カラーはあまり買取価格に影響しません。
その一方、天然のブラックダイヤモンドの場合は黒色が深く濃いほど、買取価格は跳ね上がります。
クラリティ
クラリティとはダイヤモンドにおける透明度を表します。通常は透明度が高いほど高価ですが、ブラックダイヤモンドの多くは人口着色されており、不透明なのが当たり前です。
そのため、クラリティはほとんど考慮されません。ただし、天然のブラックダイヤモンドは半透明になっており、内包物が見えます。
カット
ダイヤのカッティング形状がどのようになっているのかで価値が変わります。ただし、ブラックダイヤモンドの場合はカッティングはあまり影響しません。
ブラックダイヤモンドは不透明なので、カットしても通常のダイヤモンドのような輝きは得られません。
そのため、むしろ一般的なダイヤではできない、あるいは不人気なカットをされたものも問題なく買取してもらえます。
表面の傷の有無や量
ブラックダイヤモンドの価格に影響しやすいのが、表面の傷です。多面カットされることが多く加工しにくいブラックダイヤモンドは、表面の傷が顕著に出やすい特徴があります。傷の量が多いほど当然価格は下落します。
天然もののブラックダイヤモンドの場合は特に価格が変わりやすいため注意しましょう。
なお、人口着色であっても硬度の高いダイヤモンドであることには変わりないため、保管中に宝石本体に傷がつくことはほぼありません。
鑑定書・鑑別書や付属品の有無
鑑定書・鑑別書や付属品があれば、買取金額が高くなりやすいでしょう。鑑別書があると鑑定がスムーズになります。また、付属品があると付加価値がつきやすいです。
鑑定書はダイヤの品質を表す、ダイヤにのみ発行される書類ですが、ブラックダイヤモンドには発行されないのが一般的です。ブラックダイヤモンドは不透明で、カットによる輝きの違いがあまりなく、カラーごとの等級もありません。
ブラックダイヤモンドは評価項目が少ないため、発行してもあまり意味がありません。代わりに宝石の種類を特定する、鑑別書を発行している店舗は多くあります。
ブラックダイヤをできるだけ高く売る方法
人口着色の多いブラックダイヤは一般的なダイヤより価値が低いため、高く売るためには工夫が必要です。次のことを心がけましょう。
適切なダイヤの清掃を行う
まずはダイヤモンドそのものの価値を少しでも高めましょう。ダイヤは清掃することで、より美しくなり第一印象を良くできます。
1.状態の確認
ブラックダイヤは不透明で油がつきやすく、手で触るとすぐに汚れてしまいます。また、ブラックダイヤそのものは無事でも、支える台座や爪部分が劣化している場合があります。金属部分に異常かないか、よく確認しておきましょう。
2.洗浄液の作成と洗浄
ダイヤは洗浄液で洗浄すると綺麗に保てます。
洗浄液を作ったら、洗浄液で丁寧にすみずみまで洗いましょう。浸しただけで汚れが落ちない場合は、やわらかい歯ブラシを使って擦ってもかまいません。台座のすきまなど、細かい部分の汚れも落とします。
3.ぬるま湯によるすすぎ
洗浄液で洗い終わったら、ぬるま湯で丁寧にすすぎましょう。中性洗剤が残っていると金属を傷める原因となるため、数十秒かけてじっくりすすぎます。洗剤の濃度や粘度が高いとすすぎにくいため注意しましょう。
水で流すとき、パーツの一部が破損してそのまま排水口へと流されることがあります。たらいを利用するなどして、くれぐれも流さないようにしてください。
4.乾燥
水気をそのままにしておくと金属部分が傷んだり錆びたりしてしまうため、しっかりと乾燥させます。まずはキッチンペーパー、ティッシュ、ふきんなどで丁寧に水気を拭き取ります。
ティッシュは破れてパーツに絡まらないよう注意しましょう。水気をとったら、ドライヤーで仕上げるか、もしくは自然乾燥させます。
鑑定書や付属品をセットにする
ダイヤを売却する際、鑑定書・鑑別書、付属品をセットにしましょう。付属品には、たとえば次のようなものがあります。
- 外箱
- 収納ケース
- 保証書(ギャランティーカード)
- 取り扱い説明書
ブラックダイヤの多くは宝石の価値が低いため、このような付属品の有無で買取価格や査定の印象が変わってきます。
複数のダイヤと一緒に持ち込む
買取専門店では、複数のダイヤを一緒に査定することでボーナス査定をもらえることがあります。
特に価値の低いブラックダイヤは、ほかのダイヤと一緒に査定してもらうことで1個あたりの価値が上がりやすいでしょう。
実績豊富な買取専門店へ依頼する
買取先としては、ブラックダイヤの買取実績が豊富な買取専門店に依頼するのがおすすめです。いくらブラックダイヤモンドの価値が低いとはいえ、金やプラチナ、そのほかの宝石がついているアクセサリーも多くあります。買取専門店なら金属部分にいたるまで、しっかりと正しい価値で査定してもらえます。
ブラックダイヤモンドは天然ものの流通が少ないため、天然ものを安値で売らないよう、経験豊富な鑑定士の在籍する店舗を選びましょう。