「特殊切手」とは、キャンペーンや国家的イベントの際に発行された切手のことを指します。
一般的な切手との違いは「発行枚数」が限られていることであり、その他には販売期間、販売郵便局も異なるため、切手によっては非常に価値が高くなります。
この記事では特殊切手の買取相場や特に人気があるものを紹介します。
特殊切手の買取相場一覧表
まずは早速、特殊切手の中でも特に高値買取が期待されるものを紹介していきます。
自宅の特殊切手コレクションの中にここで紹介するものが含まれているなら、高値で買い取ってもらえる可能性があります。
▼特殊切手の買取相場一覧表
名称 | 買取相場 |
---|---|
国立公園切手(第一次 日光国立公園小型シート) | 4,000~6,000円 |
文化人切手(西周) | 30,000~40,000円 |
国宝切手(弥勒菩薩像 50円) | 4,000~8,000円 |
年賀切手(1936年 富士山20面シート) | 40,000~70,000円 |
ふるさと切手(東京湾アクアライン) | 1,000~2,000円 |
特殊切手の中でも高値で取引されるものと、比較的安く買われてしまうものがありますが、発行年代が古ければ古いほど高値で取引される傾向にあります。
古い切手は保存状態が重要なので、自宅から特殊切手が出てきたら適切な方法で保存しましょう。
買取相場の高い人気の特殊切手
ここでは特殊切手の中でも特に買取相場の高いものを紹介していきます。
国立公園シリーズ
日本で初めて特殊切手が発行されたのは1935年のことであり、その翌年生まれたのが「国立公園切手」でした。
国立公園切手は第一次と第二次に分かれ、第一次の中でも戦前、戦後とさらに分類されています。
国立公園切手の中でも特に価値が高いのが第一次のものであり、さらに戦前に発行されたものであれば買取価格は高額が期待できるでしょう。
それらの切手は小型シートとして販売されましたが、バラの状態よりもシートから切り離されていない状態であれば、さらに価値は上がります。
文化人切手
歴史上の偉大な人物の中でも、特に文化面で非常に優れた功績を残した方をデザインしたのが「文化人切手」です。
文化人切手は第一次、第二次に発行時期が分けられ、最初の発行は1949年のことでした。
野口英世から発行が始まった文化人切手ですが、その中でも特に価値が高いとされているのが、西洋哲学の紹介を始めとしてさまざまな活動を行った「西周」のものです。
西周以外の切手であっても、額面以上のプレミア価格で取引されることが多いのが文化人切手の特徴です。
国宝切手
「国宝シリーズ」はその名の通り、日本国宝があしらわれた特殊切手です。発売当初は高い話題性によって人気が出たものの、現在はその人気も落ち着いています。
国宝シリーズは第一次~第三次までの期間に分けて発行され、最初のシリーズが発行されたのは1967年です。奈良の法隆寺などがデザインされました。
2021年にはシール式の国宝をあしらった切手が販売されるので、過去に販売された国宝シリーズに再び注目が集まる可能性があります。
年賀切手
特殊切手の中でも「年賀切手」は特に歴史が古く、一番最初に発行されたのが1935年です。そのときは富士山が中央にデザインされました。
年賀状そのものの取り扱いは1800年代の終わりでしたが、年賀状のために用いる切手が登場したのは、それから30年以上後のことでした。
初めて年賀切手が発売された翌々年には日中戦争が勃発し、切手の発売は終了してしまいます。そのため、特に1935年に発行された年賀切手は高く評価される傾向にあります。
ふるさと切手
「ふるさと切手」とは、1989年から発行が始まったものであり、ここで紹介する特殊切手の中では比較的歴史の浅いものです。
発行当初は地方切手と称されていましたが、後に「ふるさと切手」と切手収集家が当時使っていた愛称がそのまま採用されました。
ふるさと切手の特徴は2007年まで発売地域が限定されていたことです。そのためそれぞれ希少性が高く、特に人気のあるイラストレーターが手掛けた切手は高値で買取される可能性があります。
戦前・戦後の切手
特殊切手にはさまざまな種類のものが発行されていますが、発行時期にも注目してみましょう。
特に戦前・戦後に発行された切手はプレミア価格で取引されることがあります。戦前・戦後は混迷期にあり、切手の発行も不安定だったという事情があるからです。
また、特に戦前に発行された特殊切手は発行年代が古いため、骨董的価値が高く評価された結果、買取価格が高くなりがちです。
特殊切手と記念切手の違い
特殊切手と似たような切手に「記念切手」というものがありますが、それぞれ発行された理由が異なるため、買取市場では別の切手として取り扱われます。
そのため、それぞれの切手の違いをよく理解してから買取査定に出すことが重要です。ここでは特殊切手と記念切手の違いに関して解説していきます。
記念切手
記念切手とは、国家行事を記念するために発行された切手です。ポピュラーなものではオリンピック、万博に関するものが登場しています。
2021年の6月には東京オリンピック・パラリンピックの開催を記念して、各競技のデザインをあしらった「切手帳」が発売されました。
最初に日本で発行された記念切手は「明治天皇銀婚記念切手」であり、1894年に登場しました。基本的に古い切手は買取価格がアップします。
特殊切手
特殊切手とは、国宝などの文化財をあしたったり、国家的宣伝をしたりすることを目的として発行されました。
特殊切手の中で最も古いものは、先ほど紹介した年賀切手である「昭和11年用年賀切手」です。
特殊切手の中でも発行枚数の少ないものは希少性が高いので、高値で買取してもらえる可能性が上がります。
また、一般的な切手と同様に発行から時間が経過したものも高値での買取が期待できますが、保存状態が悪ければ減額対象とされます。
特殊切手はバラの状態でも買ってもらえる?
特殊切手は基本的にバラの状態でも買取自体はしてもらえますが、シート状で販売されていたのであれば、シートのままのほうが買取価格は高くなります。
シート状の切手は1枚でも切り離してしまったら、その時点ですべてバラの切手として扱われてしまいます。
コレクションのために切手を購入するのであれば、1枚でも切り離さずに保存しておきましょう。
切手シートはちょっとした衝撃を加えると破れてしまい、買取価格が下がってしまうため、保存の際は細心の注意を払ってください。
特殊切手をなるべく高く売るには
ここでは特殊切手を少しでも高く買取してもらうためのコツをいくつか紹介していきます。
シートに入れてセット売りする
シート切手をバラ切手にしてしまった場合、買取価格はシートであった状態と比べると、どうしても下がってしまいます。
そのため、少しでもシート状の切手を高く買い取ってもらいたいのであれば、基本的にシートからは切り離さない状態で査定に出してください。
シート状の切手がバラの状態を判断される基準は厳しく、少しでもミシン目に切れ込みが入ったら、バラ扱いになります。
良好な保存状態を保つ
記念切手に限ったことではありませんが、保存状態が悪ければ買取価格は下がってしまいます。
そのため、記念切手を少しでも高く買取してもらうためには、どのように切手を保存しておくかが重要になります。
切手は直射日光、水分、手先に付着した皮脂などが原因で劣化してしまうため、ストックブックを活用すると良いでしょう。
複数の切手と同時に売却する
記念切手を買取に出す場合、できるだけまとめて買取査定に出すのが望ましいです。
買取専門店は一度にできるだけ多くの商材を仕入れたいと考えているため、1枚だけ買取に出されても手間がかかってしまいます。
たとえバラの切手であっても、台紙に指定の枚数を貼り付けることによって買取価格がアップします。
実績豊富な買取専門店へ依頼する
大切な特殊切手を少しでも高く買取してもらいたいのであれば、買取実績が豊富な買取専門店へ見積もりを依頼するべきでしょう。
特殊切手の買取実績が豊富な専門店であれば、特殊切手に関する知識が豊かなスタッフが在籍しているため、納得のいく査定をしてもらえるでしょう。