家の中を整理していて、不要な絵画を売りたい方も多いのではないでしょうか。絵画は他の買取品目と異なり、買取金額や査定の基準が流動的です。
そこで、高く売れる絵画の特徴や、絵画を売るときの注意点、おすすめの絵画の売り方などについてわかりやすく解説します。
【作家別】絵画の買取相場一覧表
ジャスパー・ジョーンズ | 100万~200万円 |
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片岡球子 | 40万~90万円 |
竹久夢二 | 7万~数百万円 |
アンディ・ウォーホル | 50万~1,000万円以上 |
天野喜孝 | 5万~20万円 |
トレンツ・リャド | 35万〜60万円 |
草間彌生 | 70万~400万円 |
横山大観 | 数十万~1,000万円 |
上記は、実際に買取で見かける絵画買取相場の一例です。作品によっては値段の相場がなく、買取店次第で値段が決まることもあります。
たとえば竹久夢二の作品は高額買取の対象ですが、買取相場ができあがるほどの事例はなく、作品によって非常に幅があります。
横山大観の作品も、よく見かける版画作品は数万程度で入手できる可能性もある一方、希少価値の高い大作になると1,000万円以上の値段がつくのが特徴です。
絵画の買取相場が分かりにくい理由
絵画の買取相場は、ブランド品や貴金属と違い、インターネット検索してもなかなか情報が出てきません。
絵画の値段はトレンドや需要などに大きく左右されるため、決まった値段をつけにくいためです。それでもあえて挙げるのなら、次のような品が高値で売れやすいでしょう。
高額落札品は高値で取引されやすい
わかりやすいのは、オークションで高額落札されている作品です。
それだけ高い価値があるというわかりやすい証拠でもあり、作品だけでなくその作品を作った作家も合わせて評価されることがあります。
ニュースになるような高額なものでなくとも、普段のオークションを観察していれば、だんだんどの作家や作品が売れ筋なのかわかってくるはずです。
絵画はレプリカも多数流通している
少し注意したいのがレプリカです。高額になりやすい有名な絵画には、レプリカも多数流通しています。
レプリカは「複製画」であり「贋作」ではないため、レプリカといえどシリアルナンバー入りなど、ものによっては価値があります。
しかし本物よりは当然劣るため、所持する作品がレプリカどうかは鑑定で明らかにしておきたいところです。
無名作家の作品は買い取りが難しいことも
一番買取価格を決めにくいのが無名画家や無名絵画です。
絵画は作者が誰かによって価値が決まるところが大きく、どんなに状態がよく美しくても無名画家の作品だと0円査定になってしまう可能性もあります。
一方、無名絵画でもオークションで需要があれば値段がつくこともあり、一概には言えません。ひとまず査定に出してみるのが確実です。
買取相場よりも高値になりやすい絵画の特徴
意外な高値がつく絵画には、いくつかの特徴があります。次に挙げる5つの特徴のうち、当てはまるものがあればぜひ査定に出してみてください。
作家の知名度の高い作品
有名画家であればあるほど、高額になりやすいです。
アンディ・ウォーホル
横山大観
例えば日本画家として有名な横山大観や、現代の画家で人気のクリスチャン・ラッセン、世界的なポップアート画家アンディ・ウォーホルなどが手がけた作品は高額になります。
また、ゴッホのように誰もが知る画家なら、レプリカでも数万~十数万円の値段がつく可能性もあります。
誰のものかわからない場合も、ひとまず査定・鑑定に出してみるのがおすすめです。
入手しづらく希少価値の高い作品
希少価値の高い品は、プレミアがつき高額になりやすいです。1点ものの絵画だけでなく、レプリカや版画であっても高額になる可能性はあります。
版画の場合は何枚も同じものを複製できますが、何枚刷られるか絵画ごとに異なるため、枚数が少なくなるほど値段も高くなるのが特徴です。
また、画家次第で世に残した絵画の数が異なります。
例えば横山大観は7,000点以上もの作品を残していますが、フェルメールは寡作の画家と言われ、35点しか作品が現存していません。
作品数が少ない画家の書いた絵画の方が、もちろん稀少価値が高くなります。その他、非常に希少価値が高いのが未発表作品です。コレクターがいるため、相場より高額になる可能性が高いでしょう。
作家の円熟期に描かれた作品
同じ作家でも、初期、円熟期、晩年など描かれた時期によってつけられる価格が異なります。
絵を高く売るなら、できるだけ作家の円熟期に描かれた作品を査定に出すと良いでしょう。
円熟期に描かれた作品は、その作家を象徴するモチーフが使われている可能性が高いため、より需要や人気があります。
また、初期と晩年では、より技術的に進歩した晩年の方が高額になりやすい傾向です。
トレンド性の高い作品
絵画の相場は流動的で、トレンドに左右されます。
昔はほとんど値段がつかなかった作家でも、何かをきっかけに知名度が上がると、そこから一気にオークションや買取店での価格が跳ね上がる可能性もあります。
現代画家なら何らかの賞を受賞して価値が認められたり、テレビや雑誌で紹介されたりするのもきっかけになるでしょう。
需要の高いジャンルの作品
絵画には日本画、洋画、現代アート、インテリアアートなど様々なジャンルがあり、それぞれ需要が異なります。現在アートは特に高値です。
また、版画や油彩画などの種類によっても需要が分かれるため、値段の差として反映されやすくなります。
一般的に高くなりやすいのは、耐久性に優れた作品です。紙ではなく布に描かれている作品や、高価な画材を使って描かれている作品などは長く持つため需要があります。
たとえば、日本画や油彩画などは高値がつきやすいでしょう。また、季節に合った作品も高くなりやすくなります。
絵画の買取価格を高める査定時のポイント
同じ絵画でも、少し工夫をすることで、実際の買取価格を上げられます。今すぐできることや、日頃から意識しておきたいポイントをいくつか紹介するので、参考にしてください。
2.付属品をセットにして査定を依頼する
3.まとめて査定を依頼する
保存状態を綺麗に保つ
絵画は保存状態が価格に直結するため、できるだけよい保存状態を保ちましょう。傷がついたり、保管している最中に日焼けやシミができたりしないことが大切です。
押し入れにしまっている方も多いですが、湿気が溜まりやすいので劣化してしまいます。特に古い作品は保存状態の悪化が懸念されるので、丁寧に扱いましょう。
付属品をセットにして査定を依頼する
購入したときについてきた鑑定書や、額縁、黄袋などはすべてセットで査定に出しましょう。これらがあるかないかで、査定額が大きく変わる可能性も考えられます。
鑑定書があれば真贋判定の大きな助けとなるでしょう。付属品を紛失したらできるだけ探し出してから査定に出すのがおすすめです。
まとめて査定を依頼する
絵画だけに限りませんが、買取依頼するときは数点、数十点をまとめて査定してもらうのがおすすめです。
まとめて買取することにより、買取店にとっては買取にかかるコストが削減でき、その都度手続きする手間も省けます。
この分を実質、査定額に上乗せしてもらえる可能性もあるため、他に売るものがないか探しておきましょう。
絵画のおすすめの売り先は?迷ったときは買取専門店へ
絵画を売ろうとしている場合、売り先としては買取専門店やアプリ経由など、いくつかの候補が考えられます。そこで、おすすめの売り先や、売る際の注意点について解説します。
ネットオークション
個人だけで完結させられるのがネットオークションです。
売却額から出品手数料を差し引いた分がまるまる手元に残るのがメリットですが、個人間だけで取引するため配送トラブルや取引後の苦情も自分で対応しなければなりません。
また、出品者自身にも絵画の知識がないと取引しにくいでしょう。
絵画の査定・鑑定アプリ
買取店や骨董ショップなどで、絵画の査定・鑑定可能なアプリを提供していることがあり、写真を送ればだいたいの金額を算出してもらえます。
しかし、写真だけでは詳細な傷や真贋などが把握しにくく、必ずしも適切な値段を提示してもらえない可能性があります。
美術館の委託販売
美術館や専門のギャラリー業者による委託販売を利用する手もあります。
ギャラリーに委託販売する作品を並べ、ギャラリーを訪れたお客さんが作品を気に入った場合購入できるのが特徴です。
しかし、売れるかどうかはお客さんの興味次第なので、作品が売れずに返却される可能性もあります。
買取専門店
一番おすすめなのは絵画に強い、買取専門店を利用することです。
オークションや委託販売と違ってその場ですぐに取引成立することも多く、販売手数料がかからないのもメリットです。専門知識も不要で、真贋判定もしてもらえます。
店舗に出向く手間が惜しい場合は、出張鑑定を利用すれば自宅にいながら査定可能です。