プラチナやプラチナ製品を所持していて、売却したい方も多いのではないでしょうか。プラチナは相場が日々変動しているので、売り時に悩みやすい品です。
そこでこの記事では、プラチナをいつ売るのがベストなのか、プラチナの買取相場の仕組みや純度、売却の注意点について詳しく解説します。
プラチナの買取相場一覧表
2021年8月15日時点での、プラチナの1gあたりの買取相場としては次の通りです。
純度 | 買取相場 |
---|---|
インゴット(純プラチナ) | 3,400円~3,900円 |
Pt1000 | 3,300円~3,800円 |
Pt950 | 3,100円~3,600円 |
Pt900 | 3,900円~4,000円 |
Pt850 | 3,100円~3,800円 |
Pt950よりもPt900、Pt850の方が相場が高めなのは、純度の低いプラチナに利用されるパラジウムが高騰しているからです。
相場は常に推移しているので、月日が経つにつれ相場が大幅に変わる可能性もあります。
プラチナの種類
プラチナには「Pt950」「Pt850」などいくつか種類があります。ジュエリー用の合金として利用する際、割り金がどのくらい含まれているかで種類が分かれるのがポイントです。
たとえばプラチナの配合率が95%ならば「Pt950」、85%ならば「Pt850」となります。
同じ重量のプラチナ製品があった場合、プラチナの配合率の高いものほど買取金額は高くなります。それぞれの純度について詳しく見ていきましょう。
Pt999
Pt999は、限りなく純プラチナに近いものです。
「Pt1000」と表記されることもありますが、厳密には100%のプラチナは製錬できず、どうしてもわずかな割り金を使う必要があります。
そのため、より正確な「Pt999」の表記が使われるようになりました。
Pt999のプラチナは、ジュエリーだと結婚指輪や婚約指輪に使われることがあります。しかし、おもな用途としては工業用やインゴットが中心です。
Pt950
プラチナの配合率95%のPt950は、ジュエリー用途で高い人気を誇ります。5%の混ぜ物をすることによりPt999よりも強度を確保し、繊細なジュエリーでも扱いやすくしています。
たとえばブランドもののジュエリーは基本的にPt950です。
Pt900
プラチナの配合率を90%に抑える代わり、さらに強度を確保したのがPt900です。
日本はプラチナの消費国としても知られており、特にPt900相当のジュエリーは多く作られています。
Pt850
プラチナ製品の中でも強度に重点を置いているのがPt850です。
日本国内でプラチナジュエリーと呼ばれるのはこのPt850がラインで、Pt850未満になるとプラチナとは呼ばれないことが多くなります。
Pt750以下
プラチナの配合率75%のPt750は、プラチナジュエリーと呼ばれることもなくなり、安価な指輪やネックレスなどに利用されます。
プラチナジュエリーとしての価値はありませんが、プラチナが含まれていることには違いないため、買取では75%分のプラチナの価値は確保されます。
プラチナの買取価格を決める要素
そもそも、プラチナの買取価格はどのようにして決まるのか、買取価格を決める3つの要素について解説します。
プラチナの市場相場
まずはプラチナそのものの市場相場です。プラチナの価格は円ドルの為替相場の影響を強く受けます。
1gあたりのドル価格が毎日決まるため、それを受けて日本の取引相場も変動する仕組みになっています。
日本では、貴金属取引会社の発表する相場をもとにして価格を決めるのが一般的です。
このため、たとえばある業者が1g3,000円だったのに、ある業者では1g1,000円だった、というような極端な乖離が見られるケースはほぼありません。
純度と重さ
プラチナの市場相場はプラチナ100%の場合の1gあたりの価格が提示されるため、実際の買取価格は純度や重さが考慮されます。
たとえば、Pt900のプラチナを買い取った場合は1gあたりの相場×0.9(純度)x実際のg数が価格相場です。つまり、同じ重さでも純度が低いほど買取価格は安くなります。
高額買取してもらうには純度の高いプラチナを持ち込むこと、そのプラチナの純度を正確に査定してもらうことが大切です。
ブランド品のデザイン価値
プラチナインゴットではなく、たとえばブランドもののジュエリーなどであればデザインや希少性、人気の色かどうかなども買取価格に反映されます。
ただし、純粋に貴金属を扱う店の場合、宝石などの価値は考慮されず、あくまで貴金属のみの価値で判断されることもあります。
プラチナの相場情報の調べ方
次に、プラチナをいつ売るべきか、毎日推移する相場情報の調べ方について解説します。
貴金属販売会社の公式サイト
もっとも確実なのは、各貴金属販売・買取会社で公開する価格推移情報を見ることです。
貴金属会社には、田中貴金属工業や井島貴金属精錬株式会社、三菱マテリアル株式会社などがあります。
この中で特に基準として利用されているのは、田中貴金属工業の発表する価格情報です。公式サイトにアクセスすると、プラチナだけでなく金や銀の相場も確認できます。
▼田中貴金属工業株式会社|日次プラチナ価格推移
https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/d-platinum.php
その日だけでなく、日次、月次、年次それぞれで確認でき、過去の相場推移もさかのぼれるので便利です。
大手新聞
読売新聞や日本経済新聞など、各大手新聞でも相場推移を確認できます。しかし、新聞に掲載されている価格情報は、前日のものです。そのため、今日店舗に持ち込んだ場合価格が異なる可能性が高いため注意しましょう。
新聞でのチェックは週間、月間などゆるやかな単位での相場推移を気にする方や、目安を知りたい方に向いています。
普段から新聞をとっている方であれば、毎日相場情報を確認することで今後の推移も予想しやすくなります。
プラチナをできるだけ高く買い取ってもらうコツ
最後に、プラチナを少しでも高額で買い取ってもらうにはどうしたらよいのか、買取依頼の際のポイントについて解説します。
プラチナの相場が高いタイミングで売る
前述したプラチナの相場確認方法を参考に、プラチナの相場が高いタイミングで売却しましょう。
基本的に、プラチナの相場が平均より高い日であれば売却して問題ありません。プラチナの相場は為替の影響を受けてゆるやかに推移していきます。
高くなることを期待していると逆にどんどん安くなってしまう可能性もあるため、数ヶ月、数年も待つよりは平均より高めの日を狙って早めの売却がおすすめです。
箱や保証書をセットにする
付属品は必ずセットにして売却しましょう。インゴットやネックレスなど、プラチナ製品を購入すると箱や保証書が付属してきます。
これらはなくても買取可能ですが、あった方がそのプラチナの質や純度などを調査するのがスムーズになり、査定の印象がよくなります。
また、ブランドもののジュエリーの場合は溶かさずそのまま再販することも多いので、箱や保証書がセットになっていた方がお客さんからの需要があり、査定価格も高くなります。
簡易的なメンテナンスを行う
プラチナを売る前に、いったん簡単で良いのでメンテナンスを行いましょう。
プラチナは繊細な金属なので、傷がついたり変形したりしないよう、柔らかい布で軽く拭くのがよい方法です。力を入れすぎると逆効果になるため注意しましょう。
汚れがひどいときはぬるま湯に少量の中性洗剤を溶かしたものの中に、ジュエリーを浸してから綿棒で汚れを落とします。
実績豊富な買取専門店へ持ち込む
プラチナの売却先としては、買取専門店を選びましょう。買取専門店は貴金属や宝石から、ブランドもの、楽器、家電などあらゆるものをまとめて買取が可能です。
多くの買取専門店はまとめ売りすることでボーナスがつくので、単品でリサイクルショップなどに持ち込むよりも高値で売却できます。自宅になにか、他に売るものがないか探しておくとよいでしょう。