真珠のネックレスやイヤリングなど、真珠を使ったアクセサリーを売りたい方も多いのではないでしょうか。
真珠を使った製品は意外と安い値段になってしまうことが多く、なぜそのような価格になってしまうのか気になる方もいるかもしれません。
そこで、真珠のアクセサリーを買取に出すときのポイントや、古い真珠の価値などについて解説します。
真珠のアクセサリーの買取相場
ネックレス(チョーカー・40cm程度) | 1,500円~12万円 |
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ネックレス(ロング・60cm~) | 5,000円~70万円 |
リング | 5,000円~30万円 |
イヤリング | 5,000円~50万円 |
上記のように、買取相場は単純にアクセサリーの種類だけだと幅があります。
真珠の状態や品質、ブランドや地金の量に応じて買取価格が変わるので、上記はあくまで目安としましょう。
真珠の買取相場を決める要素と高く売れる真珠の特徴
では実際に、真珠の買取相場はどのように決まるのか価格を左右するポイントについて解説します。重要なのは母貝の種類と、真珠の状態、そして保存状態です。
母貝の種類
まず、主な母貝の種類を解説します。お手持ちのアクセサリーがどの真珠か確認しましょう。
アコヤ真珠
アコヤ真珠は真珠の中でも最もポピュラーなものです。現在流通している真珠の大半は日本で養殖されたもので、中でもこのアコヤ真珠が多く使われています。
アコヤ貝は10cm前後の大きさをしており、その中で2~10mmほどの真珠が育ちます。9mm以上は高額査定の可能性が高いです。
真珠の色はシルバー、ゴールド、ホワイトピンク、ブルー、クリームなどがあります。
黒蝶真珠
黒蝶真珠は黒蝶貝から採れる真珠です。
特徴的なのが色と形で、黒蝶というだけあり「ブラックパール」や稀少な「ピーコックカラー」と呼ばれる黒系をはじめ、グリーンやブラウンなどの色も豊富にあります。
真珠を囲むように筋の入ったサークルや、バロック型の真珠もあるのが特徴です。
白蝶真珠
白蝶真珠は白蝶貝から採れる真珠です。かなり大型の真珠で、大きいと30cmにもなる貝から10mm~19mmの真珠が採れます。ホワイトやシルバー、ゴールド系が中心です。
淡水真珠
淡水真珠は主にイケチョウ貝やカラス貝などから採れる真珠です。
形が特徴的で、楕円形を中心に、ライス、オーバル、ラウンド、ドロップクロスなどかなりバリエーションがあります。逆に真円に近いものは珍しいです。
マベ真珠
マベ真珠はマベ貝から採れる真珠です。半球やスリークォーターの形が特徴的ですが、まれに円形のものも見られます。
独特の虹色が美しく、「世界で最も美しい真珠貝」とも呼ばれている真珠です。
真珠のサイズ
真珠のサイズ | 買取相場 |
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6.5~7mm | 〜3,000円 |
7~7.5mm | 〜5,000円 |
7.5~8mm | 〜25,000円 |
8~8.5mm | 〜30,000円 |
8.5~9mm | 〜45,000円 |
9~9.5mm | 〜70,000円 |
真珠の買取価格を左右するのがサイズです。一般的なサイズは6~9mmで、9mmを超えるものは希少価値が高く高額取引されることが多くなります。
上記はあくまで目安で、実際の取引価格はブランドや状態などに左右されるため、状態がよい人気商品なら20万円以上で取引される可能性もあります。
真珠の形
真珠の形は真円に近ければ近いほど需要が高く、高額で取引されます。特に、変形しているのが普通の淡水真珠やマベ真珠などは円形のものが珍しいため高価です。
しかし、変形したものに需要がないわけではなく、その独特の形から鑑賞用として評価されています。アクセサリーには変形した真珠を用いたものも多いです。
真珠の巻き・テリ
真珠の「巻き」とは、真珠層の厚さのことを指します。真珠を真っ二つに切るとその断面は層状になっているのが特徴です。
真珠層が厚く、均一で、なめらかな表面をもっていると見事な美しい光沢が出るため、高く評価されます。
真珠の光沢は「テリ」と呼ばれ、上質なテリを持つ真珠の表面は鏡のような美しさです。一般的に巻きの評価が高ければテリ具合もよく、買取金額が高くなります。
真珠のカラー
真珠には非常に豊富なカラーがあるため、どのカラーかで評価が大きく変わります。
例えばアコヤ真珠は、「真珠」と聞いて思い浮かべる、あのほんのりと柔らかいピンクがかった白が人気です。
一方、黒蝶真珠といえば孔雀のような色彩の「ピーコックカラー」が高値になりやすく、薄く緑がかった光沢を持つグレー系も人気があります。
また、真珠の中には、真珠を育てるときに染料を用い、真珠を染色しているものもあるため注意しましょう。
染色したものが悪いわけではありませんが、一般的には自然なものの方が好まれます。
真珠のブランド
真珠のアクセサリーには、ノンブランドの製品とブランド製品があります。特に有名な人気ブランドのものは高値がつきやすいので、ぜひ査定に出してみてください。
人気ブランドとしては以下の2つが有名です。
MIKIMOTO
MIKIMOTOは1893年、高級品として知られていた真珠の養殖に、世界で初めて成功した会社です。
当時は志摩国鳥羽町に拠点を置いていて、志摩国鳥羽町の相島という場所で養殖をはじめました。
初の養殖真珠は半円形で、成功してから6年後、「御木本真珠店」という真珠専門店を銀座でオープンします。
さらにその6年後、つまり半円形の真珠の養殖から12年後にはやっと真円形の養殖も成功するようになり、現在の日本における真珠産業の基礎を作りました。
1972年に社名を現在と同様の「株式会社ミキモト」に変更し、それ以来真珠をはじめ各種宝石も扱う、国際的な宝飾店として名を馳せています。
TASAKI
TASAKIは1970年、絶滅が危惧され「「幻の真珠」とも呼ばれていたマベ真珠の養殖を、世界で初めて成功させた会社「田崎真珠」のブランドです。
田崎真珠は国内の真珠生産・加工・販売を行う企業としても実力が高く評価されており、養殖から販売まで一貫して行うという日本でも類を見ない宝飾店でもあります。
実際に農水大臣賞を7回も受賞した実績があり、世界的にも有名なブランドです。
真珠の保存状態
真珠の保存状態は買取価格を大きく左右する要素です。
傷がついていたり、度重なる使用で化粧品や手垢が付着し光沢を失っていたりするものは、価値が下がる可能性が高くなります。
傷を直すことはできませんが、失った光沢は日頃の手入れである程度回復するため、査定前にお手入れしておきましょう。詳しいお手入れ方法については後述します。
真珠の鑑別書、保証書
真珠は高級な宝石なので、購入すると鑑別書や保証書が付属することが多くあります。
鑑別書にはいくつかの種類があり、全真珠に対応するスタンダードタイプの他にも白蝶真珠・黒蝶真珠専用のものなどもあるのが特徴です。
鑑別書は誰でもわかりやすいよう、巻きや光沢など5項目に関してそれぞれ5段階評価がされています。
地金の量
真珠のアクセサリーは、真珠以外にも金やプラチナなど他の金属(地金)が使われていることが多くあります。
地金の種類によっては、この地金の量も考慮して査定してもらえるため、真珠単体よりも査定額がアップしやすいでしょう。
古い真珠は価値がない?買取できないケースを解説
高額で購入した真珠のネックレスを査定に出すと、買取額が低かったり、中には買取不可になったりするケースさえあります。
いったいどうしてこのようなことが起こるのか、買取できないケースについて解説します。
真珠は劣化が早い
買取不可となりやすい理由の1つは、真珠の劣化が早く、古い真珠ほど価値を失いやすいからです。
真珠はダイヤモンドのような鉱石ではなく貝の分泌物から作られる有機物のため、長期保存に向きません。
経年劣化しやすく、特に使った後手入れしないまましまってしまうと保管状態が悪くなり、どんどん傷んでしまいます。
地金が使われている量が少ないことが多い
他の宝飾品に比べて、真珠のアクセサリーは地金が使われている量が少なめなので、査定額も低めになりがちです。
ダイヤやサファイアのネックレスであれば、トップやチェーンにも地金が使われている可能性が高いですが、真珠はそうではありません。
真珠のネックレスでは地金が使われる可能性があるのは金具部分のみなので、他の宝飾品と比べるとごくわずかな量です。
また、金やプラチナより、安価なシルバーの方が多く使われるのも価格を下げる一因となっています。
養殖真珠(パール)やイミテーションパールが増えている
真珠の生産地としては日本が有名ですが、近年は中国を中心に安価な養殖真珠やイミテーションパールが多く出回っています。
昔と違って技術も向上し、量産がたやすくなっているため、そうした真珠を使用したアクセサリーの価格は下落しがちです。
査定前にやっておきたい真珠のお手入れ方法
真珠を査定に出す前に、以下の2点を必ず実行しましょう。
・付属品をすべて揃えておく
真珠は有機物なので、化粧品や汗でたやすく劣化します。そのため、普段からできるだけ手入れを欠かさないようにし、査定の前には柔らかい布で丁寧に拭いておきましょう。
糸が弱いので、拭く際は糸がのびないよう、拭き取るときは端から端まで一方向に拭かず、中央からそれぞれの端にかけて拭くのがおすすめです。
また、鑑別書や保証書、箱などの付属品をすべて揃えておくことが大切です。付属品があるかないかでも査定額が変わります。
新品と同様に付属品が綺麗な状態で揃っていればいるほど、査定額も高くなるでしょう。