「引越しに備えて自宅の屏風を売りたい」
「家族が買った屏風を上手に処分したい」
手元にある屏風をできれば売りたいときは、買取相場を調べましょう。
この記事では、屏風の買取相場をまとめました。
あわせて、買取店での査定ポイントや高く売るコツも紹介するため、チェックしてみてください。
屏風の買取相場一覧表
屏風の作家名・作品名別で、買取相場一覧表を作成しました。
自宅にある屏風がいくら位で買取されそうか、予想を立ててみましょう。
作家名 | 作品名 | 買取相場 |
---|---|---|
岸駒 | 金屏風 | ~25,000円 |
鈴木其一 | 花鳥図屏風 | 90,000~150,000円 |
皐月鶴年 | 桜に牡丹図二枚折れ屏風 | ~80,000円 |
– | 秋草図六曲一双屏風 | ~380,000円 |
– | 六曲片双銀屏風 | ~40,000円 |
– | 刺繍獅子図 四曲片双屏風 | ~50,000円 |
狩野承珉 | 山水画 本軒一双 | ~200,000円 |
瀧下和之 | 七福神図風炉先屏風 | ~900,000円 |
鈴木其一 | 花鳥図 | ~150,000円 |
芹沢銈介 | 二曲 | ~400,000円 |
石踊達哉 | 六曲一双 | ~220,000円 |
河嶋淳司 | 遊猿屏風・松一双 | ~1,500,000円 |
川上鴻立 | 「梅」六曲一双 | ~200,000円 |
高額買取が期待できる屏風作家
屏風はさまざまな作家が数々の作品を生み出しており、物によって買取額は変わります。
もし手元にある屏風が以下に挙げた作家の作品にあたると、高価買取を期待できます。
特徴をチェックし、手元にある屏風と照らし合わせましょう。
円山応挙
円山応挙の有名な作品に足のない幽霊がありますが、他にも動物を描いた朗らかな作風の作品を残しています。
円山応挙の屏風作品は、
- 雪松図屏風
- 日月松鶴図屏風
- 牡丹孔雀図屏風
- 保津川図屏風
などがあり、どれも高額査定を期待できます。
円山応挙の屏風作品の買取相場は、保存状態が良く人気のある屏風の場合、300万円前後といわれます。
瀧下和之
若手画家の瀧下和之は、桃太郎など古くからの伝承を題材にした作品が多く、国内だけでなく海外でも人気があります。
ポップでかわいらしさのある雰囲気と鮮やかな色使いで、絵画・屏風絵・フィギュアなどを生み出しています。
個展を開けば作品はすぐに完売するほどの人気作家のため、手に入れたいファンは中古品でも探しています。
もし手元に瀧下和之の屏風作品などがあれば、早めに査定へ出しましょう。
需要に対し作品が品薄の状況にあるため、売りに出すと定価より高い値が付く可能性があります。
例えば瀧下和之の屏風作品「七福神図風炉先屏風」は、90万円程で買取されます。
河嶋淳司
日本の伝統的な技法の琳派とポップを融合させて描く河嶋淳司は、動物を扱った作品が多数あります。
海外の高級ブランド品の広告制作の依頼が来るなど、海外メーカーからも注目されている若手画家です。
例えば河嶋淳司の「遊猿屏風・松一双」は、150万円位が買取相場です。
モチーフによる買取相場の変動はそれほどないといわれますが、存命の作家は相場が変わりやすいためあくまで参考程度にしてください。
久保吉郎
久保吉郎は京都出身の日本画家で、花鳥や風景を得意とします。
花びらや草の1枚1枚を繊細に描き、同じ絵に同じ部分はないほどの丁寧な描き分けがされています。
久保吉郎の金屏風の場合、買取相場は3万~7万円程度です。
ただし保存状態などあらゆる条件によるため、新品同様の美品などはさらに買取額が上がる可能性もあります。
牧進
牧進は、日本の四季を彩る花鳥風月のモチーフを秀でたセンスと優れた色彩で描き出す日本画家。
牧進は、幼少期より絵画を学び川端龍子の内弟子として入門しました。
青龍社第29回展で『白薔薇』が初入選、その以降も受賞を重ね、青龍社解散以後は無所属で個展を中心として作品を発表しています。
外務省の依頼で寄贈するための作品を製作するなど、卓越した技術を鋭敏な感性で表現された世界観は海外でも評価されました。
花鳥風月モチーフで紙本着色の場合は、100万円前後の買取になることもあります。
竹久夢二
竹久夢二は、抒情的な作風で多くのファンから愛されている大正ロマンを代表する画家です。
日本画の技法で描かれた美人画を多く残していることでも知られ、夢二式美人と呼ばれることもあります。
竹久夢二は、「大正の浮世絵師」といった名前で呼ばれることもありますが、児童雑誌や詩文の挿絵も手掛けているほか、詩や歌謡等の文筆の創作も残しています。
竹久夢二の作品は、東京都文京区の竹久夢二美術館や出身地である岡山県の夢二強度美術館でも観覧可能。現代でも竹久夢二の画集や童話は高い人気を誇ります。
下村観山
下村観山は、昭和初期の日本画家です。和歌山県紀州藩の能楽師の3男として生まれ、兄二人とも彫刻家となりました。
下村観山は、祖父の友人である藤島常興に絵の手ほどきを受け、後に近代日本画の父と呼ばれた狩野芳崖に託されます。
その後、東京美術学校の一期生となり生涯の師となる岡倉天心に認められます。卒業後は横山大観らとともに日本美術院の創設にたずさわり、近代日本画の清流のために力を尽くしました。
西洋の人物表現と日本画の表現を融合させた装飾的な作品は高く評価されています。
山鹿清華
山鹿清華は、京都府に生まれた染織家です。
1919年に新工芸院設立、彩工会を創立してからも染織技法の研究を続けて、独自の手織錦を生み出しました。1925年にはパリ万国装飾美術工芸博にて手織錦「孔雀」がグランプリを受賞しています。
1946年には京都工芸美術作家協会理事長に就任、1969年には日展顧問、文化功労者に選出されるなど多くの功績を残しました。
河鍋暁斎
河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて多くの戯画や風刺画を残した日本画家、浮世絵師です。
狩野派の流れを受けながらも他の流派や画風を取り入れ、自らのことを『画鬼』と称しました。
浮世絵師か狩野派の絵師かと評価が分かれる絵描きであり、動乱の時代にありながら貪欲にあらゆるジャンルの作品を書きました。
笑いを誘うような風刺画から、真面目な仏画、躍動感がある人物や妖怪、動物など取り入れられるものすべてを絵として表現した絵師です。
屏風の査定ポイント
屏風の買取は査定ポイントにもとづいて行うため、基準を知り少しでも高く買い取ってもらいましょう。
この章では、屏風の査定ポイントを簡単に解説します。
作家の知名度
知名度の高い作家の屏風かどうかは、最も重要なポイントです。
世間で有名な作家、例えば横山大観や棟方志功の作品は、作家の知名度の高さから高価買取を期待できます。
ただし有名な作家の屏風の中には偽物もあるため、注意が必要です。
作成された年代
屏風はアンティーク品と同じく、基本的に古い物ほど高い価値を持ちます。
制作した年代がはっきり描かれていなくても、作家名・作風・パネルの枚数・つなぎ方などの要素から割り出せる場合があります。
屏風の素材
屏風の中には特殊な素材を使った作品があり、素材の価値により買取額アップの可能性があります。
- 象嵌細工
- 漆工芸
- 堆朱
などを使った屏風や衝立は美術品としての価値が高く、確かな目で鑑定できる買取店へ持ち込むと高く売れるでしょう。
屏風の種類
屏風の買取価格は、屏風の種類でも変化します。
- 金屏風
- 勝手屛風
- 風呂先屛風
- 枕屛風
など用途別に種類があり、他の要素とあわせて査定額が決まります。
本体の状態
中古屏風の買取は、状態が良いほど高値で買い取られる傾向にあります。
新品の状態に近いほど高額査定になりやすいため、
- カビやほこり
- 金箔の剥がれ
- シミや汚れ
- 虫食い
- 破れ
- 色褪せ
などがある屏風は、減額対象になります。
ただし屏風は骨董美術品として価値の高い作品もあり、古くても綺麗な状態であれば高額査定を期待できます。
付属品の有無
屏風の購入時にあった本体以外の付属品も全てそろえると、買取額に反映される可能性があります。
- 箱
- 年代が書かれた説明書き
- 新作を証明する鑑定書
など付属品をできる限りそろえると、屏風本体だけよりも買取額アップを期待できます。
屏風をなるべく高く売るコツ
美術品の屏風を中古で高く売るためには、5つのコツを押さえましょう。
屏風だけをそのまま買取店に出すより、高価買取を期待できる方法です。
日頃から丁寧な手入れを行う
屏風は新品ほど良いものばかりではなく、古い屏風は骨董品としての価値がつきます。
倉庫や物置に片付けたままで手入れを怠ると、屏風の状態は悪くなりやすく、買取額が下がります。
使わない屏風や美術品として保管する屏風は、日頃から定期的な手入れを行うと、高値で売れるでしょう。
屏風の適切な手入れとしては、年に数回、晴れた日に倉庫や物置から屏風を出して陰干しします。
屏風を乾燥させるとカビやシミが発生しにくいため、価値の低下を防げます。
もしカビやシミを見つけても自分で修繕すると価値を大きく下げやすいため、そのままにして早めに売りましょう。
落款の入った箱をセットにして売る
購入時に屏風の入っていた箱は、セットにして査定に出しましょう。
本物の落款が入った屏風の箱があると、買取価格アップの可能性があります。
ただし人気作家の作品ほど偽物が出回っており、箱の落款が偽物の場合もあります。屏風も扱う買取専門店にはプロの鑑定士が在籍するため、屏風と付属品の確かな価値を査定します。
屏風と落款入りの箱を一緒に売りに出し、査定してもらいましょう。
鑑定書も忘れずに
鑑定書は屏風が本物であると証明するもののため、忘れずに屏風に添えます。
美術業界や作家の関係者による公的鑑定機関が出す、真筆の証明書が鑑定書です。
屏風の人気作品ほど本物は高く売れやすいため、以前鑑定書があった場合はよく探して見つけましょう。箱の落款と同じく鑑定書も偽物が出回っていますが、買取専門店の査定で真偽がわかります。
手元に鑑定書がある場合は、本物か心配があっても屏風と共に査定してもらいましょう。
湿気の少ない場所で保管する
屏風は風通しが良く湿気の少ない場所で保管すると、良い状態を保ちやすくなります。
湿気はカビや汚れの原因になるため、できれば桐箱に入れて保管しましょう。
ただし屏風ほどの大きさの桐箱は重量があるため、難しい場合は丈夫なダンボール箱へ入れて収納します。
桐箱など重さのある箱へ収納した場合倒れやすいため、安定して保管できる風通しの良い場所を選びましょう。
ブランド品を扱う買取専門店に持ち込む
屏風の価値を確かに評価し、より高く買い取ってもらうには、ブランド品を扱う買取専門店へ売りましょう。
プロの鑑定士が在籍する店舗では屏風の真贋や正しい価値にもとづいて、買取価格を決められます。
屏風と一緒に他の絵画や着物、貴金属などもあわせて査定に出すと、総査定額アップの可能性があります。
屏風が大きい、または買取希望の点数が多く持ち込めない場合は、出張買取を行う買取専門店を選ぶと便利です。