金や宝石と並んで称させるほどの美しさを誇るペルシャ絨毯。自宅を彩るインテリアとして、もしくは誰かに引き継ぐ財産として保有している人も世界中にいるでしょう。
しかし「自宅の内装には合わない」、「保管しておくスペースに困っている」といった理由で処分を考える人も少なくありません。
ここでは、ペルシャ絨毯の買取相場はどの程度になるのか、ペルシャ絨毯の価格は何で決まるのかといった情報をまとめています。
高く買取してもらうためのポイントも紹介しているので参考にしてください。
ペルシャ絨毯の買取相場一覧表
ペルシャ絨毯の種類 | 買取相場 |
---|---|
クム産ペルシャ絨毯(縦192cm・横135cm) | 30,000~50,000円 |
タブリーズ産ペルシャ絨毯(縦250cm・横246.5cm) | 400,000~500,000円 |
イスファハン産 ペルシャ絨毯(縦350cm・横252cm) | 300,000~400,000円 |
カシャーン産 ペルシャ絨毯(縦202cm・横138cm) | 30,000~50,000円 |
クム産ナーミ工房製 ペルシャ絨毯(縦290cm・横198cm) | 200,000~300,000円 |
ニーシャープール産ペルシャ絨毯(縦375cm・横293cm) | 20,000~50,000円 |
カシマル産ペルシャ絨毯(縦322cm・横235cm) | 50,000~100,000円 |
トルクメン産ペルシャ絨毯(縦115cm・横76cm) | 10,000~20,000円 |
高額買取が期待できるペルシャ絨毯の種類
ペルシャ絨毯は、イランで作られるイランの伝統的な絨毯です。1枚1枚手織りで製造されている貴重な品でイランの基幹産業ともなっています。
同じように見えるペルシャ絨毯であっても製造される地域によって特徴や違いがあります。
どのような違いがあるのかまとめました。
イスファハン産ペルシャ絨毯
イランのイスファハンは、イラン中央部にある都市の名前です。ペルシャ絨毯の名産地として知られているほか、16世紀の王朝による建造物やモスクが有名な都市です。
そのため、絨毯の絵柄も建造物から着想を受けた図柄が多く用いられています。イスファハン産のペルシャ絨毯は繊細な織りや華やかな色合いが特徴的で買取価格も20~30万円前後と高額です。
ペルシャ絨毯は、ウールよりもシルクのほうが高額で買取される傾向があります。しかし、柔らかい初めて刈られる子羊の毛を使っているコルクウールは、非常に価値が高く買取価格にも期待が持てます。
タブリーズ産ペルシャ絨毯
タブリーズは、イラン西北部にある都市で、ペルシャ絨毯の街として有名です。タブリーズ産ペルシャ絨毯は、トルコ結びを使った精密な織りが特徴的。
意匠もバラエティー豊かで、伝統的なペルシャ絨毯のデザインのほか、魚をイメージしているマヒ柄、絵画調絨毯も人気があります。
タブリーズ産ペルシャ絨毯のほとんどはウールで作られていますが、一部にシルクを使って印象的に仕上げていたり、縦糸にシルクを使用しているものもあります。
シルクを使用したタブリーズ産ペルシャ絨毯では、買取価格は30万円前後が相場。ペルシャ絨毯の価値を見極めるときには、シルクを使用しているかどうかが一つのポイントです。
クム産ペルシャ絨毯
クムはイランの中央部に位置していて、古くからシルクの産地として知られてきました。
そのため、ペルシャ絨毯もクム産はシルク100%がほとんど。
「クムシルク」とも呼ばれ高級ペルシャ絨毯の代名詞で15~20万円程度が買取相場です。
クムのペルシャ絨毯は比較的歴史が短いことも特徴で、アンティークと呼ばれるようなペルシャ絨毯はありません。その分、別の産地の技術を積極的に導入し伝統に縛られないペルシャ絨毯も多く生み出しています。
カシャーン産ペルシャ絨毯
カシャーンはペルシャ絨毯の5大産地と呼ばれる場所の一つ。産地の中でも歴史が古く、17世紀~18世紀初頭には王朝ご用達のペルシャ絨毯を製造していました。
カシャーン産のペルシャ絨毯は伝統的なデザイン、色使いが多くオーソドックスな仕上がりが特徴です。そのため、インテリアに取り入れやすく日本でも愛されています。
カシャーン産ペルシャ絨毯は、ほとんどがウール製で買取相場は10万円~15万円前後です。
ただし、稀にシルク製のものもあり、シルク製であればより高値での買取も期待できます。
ナイン産ペルシャ絨毯
ナインはイランのほぼ中央に位置する都市で、古くからウール織物の産地として栄えてきました。ナイン産のペルシャ絨毯は、伝統的なメダリオンや花のモチーフをあしらった文様が使われていることが特徴です。
ナイン産のペルシャ絨毯は、華やかでありながら上品な色合いからインテリアにもなじみやすく日本でも高い人気を誇ります。
ナイン産ペルシャ絨毯の相場は、30万円~45万円程度と高額。シルクを使用したものであれば、もっと高額査定になることもあります。
ビジャー産ペルシャ絨毯
ペルシャ絨毯の5大産地は、エスファハン、タブリーズ、クム、ナイン、カシャーンですが、ペルシャ絨毯を製造しているのはそれらの地域だけではありません。5大産地以外にあるペルシャ絨毯の地方産地は、まとめてローカルと呼ばれています。
ビジャーは、ペルシャ絨毯のローカル産地の一つで、複数の横糸を織り込む独自の技術が特徴。
ビジャー産ペルシャ絨毯の買取相場は、8~12万円程度です。とても丈夫なことから「鉄の絨毯」とも呼ばれて人気があります。
ペルシャ絨毯の査定ポイント
素人目では同じように見えるペルシャ絨毯であっても、買取価格が数万~数十万も違うことは珍しくありません。ペルシャ絨毯の査定のポイントをまとめました。
産地
ペルシャ絨毯を査定するときに、まずチェックするのが産地です。上記で紹介したペルシャ絨毯の産地の中でも「イスファハン・カシャーン・クム・タブリーズ・ナイン」は五大産地として知られ、高く評価されています。
ただし、5大産地以外のローカルのペルシャ絨毯であっても状態や質が良ければ高値で取り引きされます。
逆に、有名産地のペルシャ絨毯であっても品質や状態に問題があれば、買取価格は下がるでしょう。産地はあくまで目安と考えておきましょう。
素材
ペルシャ絨毯は、基本的にウール製とシルク製に分けられます。使われている素材は山地によっても違いがありますが、一般的にはシルクで作られたペルシャ絨毯には高値がつきやすい傾向があります。
ただし、ウールの中にも分類があり、特に高価なカシミヤ製のペルシャ絨毯は高額で取り引きされています。
生産された年代
ペルシャ絨毯は、製造された年代もポイントです。製造されてから50年以上経過したものを「オールド」、さらに100年以上が経過したものを「アンティーク」と呼びます。
骨董品として扱われるようなペルシャ絨毯は、年代が古いほど希少価値が高まる傾向があります。ただし、年代だけ古くてもひどく傷んでいるものは評価が下がるでしょう。
一方で、骨董品として扱われるペルシャ絨毯であれば、王朝の名前等の銘が入れられているものもあり、その希少性から高値で取り引きされます。もしも、ペルシャ絨毯を購入したルートがわかるレシートや書類がある場合は、買取時に持参しましょう。
サイズ
ペルシャ絨毯は、サイズによっても買取価格が変わります。サイズが大きいほど、製作するために手間がかかるため高額で販売されます。
定価が高いペルシャ絨毯なので、買取価格も高くなる傾向があります。ただし、サイズはあくまで目安です。ペルシャ絨毯の品質や素材、年代等を総合的に勘案して査定価格は決まります。
ノット数
ペルシャ絨毯のノット数とは、生地の目の細かさを表す単位です。本場では「ラジ」という単位が使われています。
ペルシャ絨毯は、ノット数が低ければ織が粗く、ノット数が高いほど目が細かく手間がかかった製品です。ノット数が高いペルシャ絨毯は、高級品として扱われ買取価格も高くなる傾向があります。
商品の状態
ペルシャ絨毯は、傷や汚れがないかどうか作品の状態もチェックされます。状態が良いペルシャ絨毯のほうが買取価格は高くなり、逆に汚れやキズが多いと買取価格は下がってしまいます。
ただし、アンティークのペルシャ絨毯は骨董品としての価値があるため、状態が良くなくても買い取られる可能性もあるでしょう。
付属品の有無
ペルシャ絨毯には、鑑定書や証明書といった作品の品質を保証するものが付属している場合があります。ペルシャ絨毯は、世界的にも知られた高級品で職人が手作りしているため入手困難です。
そのため、ペルシャ絨毯の偽物やコピー品も出回っています。鑑定書や証明書がある場合には、必ず一緒に買取に持ち込んでください。